スタジオアリスと個人情報

前に一度更新日記でも書いたが、また腹立たしいことがあったのでここに書いておく。

※初稿ではある特定の店舗の名前を出していましたが、一応解決を見たので店舗名は削除しました。
本エントリーに出てくる「スタジオアリス」はある特定の店舗を指すもので、全店がそうであるかは分かりません。

<前回までのあらすじ>
●ダイレクトメール
スタジオアリスという写真館がある。
近所にあるので過去に二度ほど利用したのだが、子どもの写真は撮れるようだが、家族写真のセンスが悪く、今年からは他社に変えた。


4月頃だったろうか、一通のダイレクトメールが来た。
10ヶ月の息子宛で、初節句の写真の営業葉書だった。

娘の時には、生まれて間もなくベネッセからしまじろうのDMが届いてとても気持ち悪い思いをした。
娘の名前を書いたのは病院くらいしかなかったはずだったが、意識せずに他の何かに登録したりしてしまったのかとも思ったし、今ほど個人情報に関してうるさくなかったのでそのまま諦めていた。

息子はその経験も踏まえて、一切息子の名前を使わないようにした。
しまじろうも届かなかったし、他のDMも一切来なかったので安心していた。
そこにここからDMが来たのだ。

気持ち悪く思っていると、数日後そこから営業電話がかかってきた。
私の留守中だったので妻が出て、情報の出所を問いただした。
最初は「当社の営業情報です」と言っていたが、前回利用した時には息子はまだお腹の中で、名前すら決まってない時だったのだ。そんなわけはない。
再度妻が尋ねると「住民基本台帳からです」と白状した。

●住民基本台帳
それを聞いて最初は「うわ、住基ネットから漏洩してるのか!」と驚いたのだが、改めて住民基本台帳法を確認してもっと驚いた。
第11条に、名前・性別・生年月日・住所は何人でも閲覧を請求することができる、とある。
3項に不当な目的での利用はダメとあるが、どうやら商業目的の利用は不当な利用方法に該当しないようなのだ。

結局個人レベルで個人情報漏洩をどれだけ防ごうとしても、大元の住民台帳はダダ漏れなのである。

スタジオアリスは、過去一年で生まれた子供のリストを閲覧したのだろう。
その結果と営業記録をマッチングし、息子宛のDMや電話があったというわけだ。

[参考]住民基本台帳の閲覧制限
[参考]住民台帳で少女物色 強制わいせつ
[参考]住民基本台帳大量閲覧制度の実態調査を各地でしませんか!

●個人情報保護法
結局スタジオアリスは違法なことをやっているわけではなかった。だから法に問うことは出来ない。
しかしやっぱり気持ちが悪い。
営業電話に尋ねた時にも、最初は「営業記録から」とウソを吐いたのだ。自分たちだって疚(やま)しいのだ。

個人情報の保護に関する法律(いわゆる個人情報保護法)では、個人情報の利用停止・削除を求めることが出来、取扱事業者はその求めに応じなければならない。
消して貰おう。


ここまでが、前回書いたところ。
そしてその後。


●削除を求める
スタジオアリスは撮影後一年経つとネガを貰えるというサービスがある。
二度と行きたくないと思っていたが、削除の件もあるしネガ貰いついでに文句を言うことにした。

店頭でMという女性が対応してくれたので、経緯を話して強く削除するように言った。
「はい分かりました、すいませんでした」
と返ってきた。

個人情報保護法では訂正や削除をしたらその結果を伝えなければならないという項目があるのだが、スタジオアリスからは何も連絡はなかった。
削除さえされればどうでもいいので、その点は気にしないことにした。

●そしてまた電話がくる
こうしてブログにエントリーするくらいなのだから結果もだいたい予想がつくと思うが、昨日スタジオアリスからまた営業電話があった。
しかもその電話の主は、店頭で頭を下げていたMという女性だった。
不在だったので、その不快な電話は留守電に入っていた。
削除のことには全く触れず、普通に営業の電話をしてきたのだ。直接話した本人が。

削除を求めてから、丸一ヶ月も経ってないのに、だ。
まったくバカにしている。
しかも今度は法令違反だ。

これから電話して突っ込んでやろうと思う。

●解決??
スタジオアリスに電話をした。
Mという社員は今日は休みらしく、代わりに出たのがKという店長で、店を総括している立場だというので、今までたまっていた鬱憤を全部吐き出してやった。
「御社は気持ち悪い」と三度くらい言った。

過去の顧客台帳からは完全に削除されていたらしい(その点ではMもちゃんと言われた通りにしていた)のだが、営業用の台帳にはそのまま名前が残っていたとのことで、「削除しました」と返事を貰った。
住民基本台帳法と個人情報保護法の話も噛み砕いて話をしたので十分に理解をされたと思う。

こちらも感情的になってしまったのであまり勝った気はしないが、とりあえず文句は言えたので少しスッキリした。
この件に関しては本当は妻の方が憤りを感じていたので、私がカタを付けてしまったのは妻としては消化不良かもしれない。

本当にカタがついたかどうかは分からない。
またしばらくしたらノホホンと電話してくるかもしれない。

●追記
珍しくTBを受けたので追記しておく。
その後アリスから削除した旨の通知と、今回の不手際のお詫びが書面で送られてきた。
私のクレーム電話から本社にうかがいを立て、個人情報保護法に則って書面通知をしたきたと書かれていた。

よって本件は、我が家においては全て解決済みである。

気持ちが悪かったら正直に「気持ち悪いのでやめて下さい。個人情報は全て削除して、その結果を通知して下さい」と言えばいい。

スタジオアリスは顧客台帳と営業台帳が別なようなので、そのどちらか(もしくはどちらとも)削除するのかもハッキリ言った方がいいようだ。
(個人情報保護法では、「うちのデータはどのように管理されてますか」と尋ねられたら速やかに答えなければならない。なのでアリス以外でもそう聞けば答えてもらえるはずである)

ただ・・・・。
全データを削除したはずなのに、なんの情報を元に我が家に書面を送付してきたのかは謎である。